ダークエルフ物語Ⅰ レビュー
以前から読みたかった小説「ダークエルフ物語 故郷メンゾベランザン」を読み終えたので感想を書いておきます。※ネタバレはしません
この小説の背景世界はD&Dのフォーゴトン・レルムとなっており、海外ではドラゴンランスと肩を並べるくらい人気が高い作品だそうです。今回読んだダークエルフ物語は三部作となっており、先に発行されて人気を博した「アイスウィンド・サーガ」の前日譚という位置付けです。

表紙から事前に想像していた厚さの三倍はあろうかという重厚な本でした。
きらめく神秘と詩人のうたう星の光が、
この地を美しく照らすことはない。
ぬくもりと生命にあふれた太陽の光が、
この地を訪れることもない。
この物語はアンダーダークと呼ばれるフォーゴトン・レルムの暗黒世界で展開します。そこにはドロウ(ダークエルフ)が何十年、いや何百年かけて築き上げた地下都市メンゾベランザンがあります。私の印象としてドロウというのは、D&Dのアライメント設定でいうところのローフル・イービル(秩序にして悪)の典型です。しかし自分の利益しか考えない悪人がどのようにして秩序だった社会を形成していけるのか?という疑問が昔から私の中でモヤモヤしていたんですね。果たしてその答えがこの物語の中にありました。
追記
ドロウはカオティック・イービルという意見が多いようですね。自分はローフルの解釈を間違っていたようです。その辺詳しくなくてすみませんm(_ _)m
コメント欄に詳しく載ってるので参照ください。
「蜘蛛の女王」と呼ばれる邪悪な神ルロスを頂点にして、その下に組織される支配家議会、慈母、高尼僧達が恐怖と共にこの社会を支配、統治している具体的な例が描かれています。これはD&Dの設定資料としても十分価値があるのではないかと思いました。
そんな悪の巣窟の中に産まれ落ちるのがこの物語の主人公であるドリッズトです。彼は生まれながらにして善の心を持つ超異端児なんです。そして両手を操る剣技において類稀なる才能の持ち主でもあります。絶対的な悪社会の成り立ち、陰謀、そしてそこに登場したドリッズトの葛藤と解放がこの本のメインストーリーになります。

この都市の名前を空で言えるようになれば一人前(笑)私は二週間以上かかりました(゚∀゚;)
読み終えた感想としては圧巻の一言です。自分の中ではドラゴンランスを超えました。自分が好きな点としては話が飛び火せずに常にメインストーリーを追いかけてくれるところで、これにより物語に没入する事ができました。ファンタジー小説では本の途中に挿絵が描かれる事が多いと思いますが、この本にはそういった物はありません。下手な絵があるくらいなら無いほうがむしろ自分のイメージをかき立て重厚感を増す要因になっているかもしれません。面白い点としては戦闘の描写がとても具体的で、今まで読んだ小説の中でも随一と言っても良いでしょう。苦悩を抱えたダークヒーローの今後の活躍が楽しみで仕方がありません。
今回の本は借用していたのですが、読み終えた後でも自ら購入して所有したいと思えるくらい気に入りました。それくらい稀有な作品でした。

同タイミングでやっていたゲームで偶然発見した「女王蜘蛛の祭壇」しかも地下だった(笑)
この小説の背景世界はD&Dのフォーゴトン・レルムとなっており、海外ではドラゴンランスと肩を並べるくらい人気が高い作品だそうです。今回読んだダークエルフ物語は三部作となっており、先に発行されて人気を博した「アイスウィンド・サーガ」の前日譚という位置付けです。

表紙から事前に想像していた厚さの三倍はあろうかという重厚な本でした。
きらめく神秘と詩人のうたう星の光が、
この地を美しく照らすことはない。
ぬくもりと生命にあふれた太陽の光が、
この地を訪れることもない。
この物語はアンダーダークと呼ばれるフォーゴトン・レルムの暗黒世界で展開します。そこにはドロウ(ダークエルフ)が何十年、いや何百年かけて築き上げた地下都市メンゾベランザンがあります。私の印象としてドロウというのは、D&Dのアライメント設定でいうところのローフル・イービル(秩序にして悪)の典型です。しかし自分の利益しか考えない悪人がどのようにして秩序だった社会を形成していけるのか?という疑問が昔から私の中でモヤモヤしていたんですね。果たしてその答えがこの物語の中にありました。
追記
ドロウはカオティック・イービルという意見が多いようですね。自分はローフルの解釈を間違っていたようです。その辺詳しくなくてすみませんm(_ _)m
コメント欄に詳しく載ってるので参照ください。
「蜘蛛の女王」と呼ばれる邪悪な神ルロスを頂点にして、その下に組織される支配家議会、慈母、高尼僧達が恐怖と共にこの社会を支配、統治している具体的な例が描かれています。これはD&Dの設定資料としても十分価値があるのではないかと思いました。
そんな悪の巣窟の中に産まれ落ちるのがこの物語の主人公であるドリッズトです。彼は生まれながらにして善の心を持つ超異端児なんです。そして両手を操る剣技において類稀なる才能の持ち主でもあります。絶対的な悪社会の成り立ち、陰謀、そしてそこに登場したドリッズトの葛藤と解放がこの本のメインストーリーになります。

この都市の名前を空で言えるようになれば一人前(笑)私は二週間以上かかりました(゚∀゚;)
読み終えた感想としては圧巻の一言です。自分の中ではドラゴンランスを超えました。自分が好きな点としては話が飛び火せずに常にメインストーリーを追いかけてくれるところで、これにより物語に没入する事ができました。ファンタジー小説では本の途中に挿絵が描かれる事が多いと思いますが、この本にはそういった物はありません。下手な絵があるくらいなら無いほうがむしろ自分のイメージをかき立て重厚感を増す要因になっているかもしれません。面白い点としては戦闘の描写がとても具体的で、今まで読んだ小説の中でも随一と言っても良いでしょう。苦悩を抱えたダークヒーローの今後の活躍が楽しみで仕方がありません。
今回の本は借用していたのですが、読み終えた後でも自ら購入して所有したいと思えるくらい気に入りました。それくらい稀有な作品でした。

同タイミングでやっていたゲームで偶然発見した「女王蜘蛛の祭壇」しかも地下だった(笑)
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